食事・掃除のQ&A

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  ヘルパー訪問看護Q&A
               食事


疑問23
 日中一人暮らしの利用者に4人分の夕飯を作って欲しいと頼まれますが。

答え23 ヘルパーさんの仕事はあくまでも利用者本人の自立支援ですから、利用者さんができないことをサポートして一緒にやるのが基本。利用者さんのご家族の分までは食事をつくれないことをきちんと話をしましょう。もし利用者さんがどうしても家族のために作りたいというなら、一緒に調理するなどして援助します。
 また、利用者が「出かけてくるから、その間に食事を作ってほしい」などという場合は、利用者さんがいない間に、食事の用意はもちろん家事をするなど在宅サービス依頼は受けることができないことを伝えましょう。



疑問24
 食事制限のある利用者さんの食事をつくったところ味付けが気に入らないと言われます。


答え24
 食事制限がなく利用者さんのいうとおりに作っても、嗜好面や運動不足などの身体面から、作った食事が美味しくないと言われることもあります。ましてや塩分や糖分油分の使用などの制約が多ければ、不満も出ることでしょう。
 まず、その制約について本人や家族とじっくり話し合い、納得したうえで献立を一緒に考えるようにします。
 そのうえでダシを濃くしたり、薬味や香辛料などで、少しでも利用者さんが美味しく食べられるように工夫をしていきます。
 また医療関係者とも連携を取りながら、週に1回は好きな物を作るなど、献立にメリハリをつけることも大切です。


疑問25 消費期限が切れた食品を捨てずに使って欲しいと言われます。


答え25
 たとえ消費期限が切れていても、食品が傷んでいても、ヘルパーさんは利用者さんの許可を得ずに食品を処分することはできません。かといって明らかに消費期限がとっくに切れているものを使って、お腹をこわされても困ります。
 戦中戦後の食糧難を生きてきた方々には、「もったいない」という気持ちが強いのは事実です。見た目はなにも悪そうじゃないのに捨てることなどできないのでしょう。
 しかし、ヘルパーの立場ではこのような食品を使って調理して体調を悪くされても責任をとりきれないことを説明して、それらの食品は使わないようにします。そのうえで、できるだけこれらの食品を処分するように話をします。


疑問26 担当の利用者さんが亡くなりました。悲しくてヘルパーを続ける自信がありません。


答え26
 ホームヘルパーになった以上避けられないのがこの問題です。一生懸命お世話をしているだけに本当に辛いことです。しかし、医者や看護婦、またヘルパーなどは人の死に向かい合わなければならない職業なのです。
 そんなときは一人で悩まず周囲の仲間のヘルパーさん先輩ヘルパーたち、またケアマネージャに相談してみてください。みんな多かれ少なかれ経験して気持ちを分かってくれるはずです。
 と同時にプロの介護者として、利用者の「死をも乗り越える」強さを培い、「生きている間を、いかに自分らしく生きるか」の手助けに手を貸しているんだという自覚を持ってお仕事に励んでください。



                ●掃除


疑問27
 利用者さんの部屋が汚れていますが掃除を嫌がります。どうすれば掃除をさせて頂けるのでしょうか。

答え27 なぜ掃除をさせて頂けないのでしょうか。その理由を考えてみましょう。 「自分のものを他人に触られたくない」という理由が考えられます。その場合はまず信頼関係を築くことが大切です。ヘルパーの仕事を理解してもらい、一緒に片づけ、安心してもらうことから始めましょう。
 また「掃除などしなくても今のままで満足している」場合もあります。この場合は利用者さんのプライドを傷つけないように、徐々に掃除をするように話しかけます。
 また散らかっている、汚れていることを自覚しているがために、その状況を他人にさらしたくないという理由で、あえて近寄らないで欲しい、触らないで欲しいということもあります。
 いずれの場合も掃除は単なる本人の嗜好の問題ではなく、衛生問題でもあります。単なる見た目だけでなく、臭い、害虫の発生や、状況によっては健康すら害するかも知れません。あきらめずに掃除ができるようになるまで、いろいろな方法を工夫してみましょう。



疑問28
 掃除が下手だと言われます。どうすれば気に入ってもらえるでしょうか。 


答え28
 多分、利用者はきれい好きで、お元気な頃は掃除もうまい方だったのでしょう。「下手だ」というからには、その方にとっての「もっと違うやり方=上手なやり方」があってのことなのですから。自分だったら「こうするのに」ともどかしい思いで見ているのかもしれませんね。であれば、利用者に「どのようになさっていたのですか」と具体的な掃除法を聞いてみてはいかがでしょうか。利用者は昔とった杵柄とばかりに丁寧に教えてくれるかもしれませんよ。また、手を抜いていると思われないためには、掃除に取り掛かる前に、一声掛けて始めると、納得されるでしょう。もっと掃除が上手くなりたいと思われるなら、上手な人にコツを聞くのが一番です。たとえば浴室掃除の場合など、浴槽や壁の水滴まできれいに拭き取ると見栄えがしますし、カビ防止にもなります。