●排泄・入浴
29 利用者さんが、冬は寒いのでトイレに行くより、紙パンツにしたいといいます。
29 オムツをつけていると、尿意や便意がにぶることがあります。またオムツかぶれや尿路感染症などの病気の原因にもなります。利用者さんはご自分でトイレに行ける状態なのですから、歩ける状態を維持することの大切さも含め、自分でトイレまで行けることの素晴らしさをよく話して納得してもらいましょう。
またトイレに行くまでが寒いのかもしれませんので、通路やトイレの状況もチェックしてみましょう。どうしても保温が難しい場合は、冬の間だけ室内にポータブルトイレを設置するのもひとつの方法です。
30 体調が悪くてもどうしても入浴したいという利用者さんには?
30 入浴をとても楽しみにされている利用者さんにとって、少しぐらい無理しても入浴したいという気持ちは切実です。しかし、体調が悪いときの入浴は危険を伴います。利用者さんに納得して頂くまで話し合う必要があります。
そのうえで本人の希望にできる限り沿うように、清拭や部分浴で入浴できなかったことを補うようにします。足欲だけでも十分に気持ちの良いことをわかっていただきましょう。
それでもどうしても入浴したいと聞かない場合は、主治医の先生に連携をとって指示を仰ぎます。
●その他
31 利用者からマッサージをしてほしいと頼まれますが。
31 利用者が希望しても、ヘルパーがマッサージをすることは業務範囲を超えていますので丁寧にお断りします。マッサージにともなう、揉んだり、指圧をすることは専門施術師の仕事であり、知識・技術の伴わない自分がすることであとでかえって具合が悪くなっても大変だということを説明します。また、どうしてもやって欲しいと言われたら、適切な専門職に手がけてもらうなど介護支援専門員に相談するようにアドバイスしてください。
ヘルパーさんが訪問業務としてできることは、肩たたきと、痛いところをさすること、また本人が訪問リハビリテーションで指示された運動を行うのを見守ることくらいです。
32 耳かきはホームヘルパーが行ってもいいのでしょうか。
32 ヘルパーさんは医療行為を行えないのは当然のことですが、医療行為の定義はあいまいで、判断が難しいことがたくさんあります。
耳かきは一般的に医療行為ではなく、身体介護の一部として認められています。しかし、耳かきをしていて、鼓膜や外耳を傷つける可能性もありますので、注意深く行ってください。
この耳かきのような身体介護を医療行為の類似行為といいますが、他にも服薬や座薬、または湿布や塗り薬を塗っていいか、などの問題があります。このような行為は主治医の判断のもと、主治医の指示通りに動く必要があります。また反対に、家族から痰の吸引を頼まれたりした場合は、ホームヘルパーには行えないことを話してお断りしましょう。
最近特に、この介護職による医療行為の範囲、やって良いもの悪いものについては各方面で議論されており、課題を残したままであることを承知していてください