レクリエーションの資料3

 
                  フラゴナール「ぶらんこ」の一部

  遊んでリハビリ・プログラム

介護予防・寝たきり予防に役立つ遊び・レクリエーションの情報です。あなたの
活躍するフィールドや利用者の方にあわせてご利用ください。


  1.パラソル輪投げ
   
  傘等を使って輪投げをしてみましょう

  2.風船相撲
      風船を一工夫して相撲を取ってみましょう

  3.スカットゴールゲーム
      ゲートボール・グラウンドゴルフのひと味違った楽しみ方です

  4.どこまで通せる?(座位・立位)
      まっすぐ転がしてみましょう

  5.うまく入るかな
     玉入れを工夫してみました

  6.天国と地獄
      バランスがたいせつです

 7.新春的あて
      割り箸鉄砲を使って的当て

  8.「たて輪投げ」
     遠くに輪を投げてみましょう

 

  「パラソル輪投げ
輪を投げる動作は体のひねりや重心移動、立っておこなえば立位、座っておこなえば坐位バランスの向
上につながります。マトを狙って投げることで集中力・全身的な協調性・運動も引き出します。



<準備>

  新聞紙で輪を作ります。新聞紙を棒状に丸め、それを輪っかにすればOK。その上からビニールテープを
螺旋状に巻くのも一案です。  チームでわかれて投げ合う場合は、チームごとに色を決めて、テープを
巻ましょう。新聞紙で作るので、対象者にあわせて輪の大きさや重さも変えられます。マトは、逆さに広げ
た傘と、そのまわりにペットボトルも置いておきます。
+

<遊び方>

  2、3人で楽しむときは、同じ数の輪をそれぞれが持ち、傘のまわりから順番に投げていきます。体力などにあわせて投げる位置を変えると良いハンディになります。  得点は、例えば、傘の柄は5点、傘の開いた中は2点。ペットボトルは3点などにしておきます。  チームに分かれて遊ぶときは、最初はチームごとに投げ、段々に遊びに慣れてもらってから、最後は全チーム一緒に投げるといいでしょう。  「よく狙って」、「さあ、今度は柄の部分を狙ってみましょう」など言葉をかけて下さい。



  「風船相撲」

 ななめ前方にぶらさがった風船を、相手の陣地へ移動させようとうちわであおぐことで、上肢・躯幹の間
接可動域改善、上肢の筋力強化と坐位バランスの向上につながります。どのようなあおぎ方をするといいか考えることで、知的刺激も引き出します。
 


<準備>
 風船とうちわ、ビニールひもを用意します。向き合った2人の頭の上にビニールひもを渡します。その中
央に、分かり安いようにテープやマジックで印をつけ、そこに風船をつりさげます。風船をつり下げるひも
は固く結ばす、風船がよくすべって動くようにします。そして、うちわを1本ずつ持って準備完了


<遊び方>

 開始の合図で、自分から風船が遠ざかるようにうちわであおぎます(10秒間程度)。終了の合図であお
ぐのをやめ、風船の位置が中央よりどちらよりかで勝敗を決めます。一生懸命あおいだから、または力
があるからといって風船が進むというものではなく、意外な対戦結果にもり上がります。10秒間とはい
え、かなりの運動量になります。片方の手ばかりでなく、両方の手を交互に使うようにすることをおすすめ
します。 

  風船が遠ざかるほど前傾姿勢になり、バランスを崩す場合もあるので、両足裏をしっかり床に着けて楽
しむことがコツです。



  「スカットゴールゲーム」


 ゲートボールやグラウンドゴルフは、今一番普及しているスポーツ。用具を貸してくれる公共施設も多く
なりました。そんな用具を活用して、上肢全体の筋力向上と、球を打つときの重心移動による立位・体幹
バランスの能力向上のための運動をしてみましょう。

<準備>

 グラウンドゴルフ、またはゲートボールのスティックとボールを用意します。1対1、またはチーム対抗
になるので、ボールは赤白に分けられるゲートボールのものが便利です。マトとなる得点板は、段ボール
を2~3枚重ね、穴のわきに点数を書いておきます。10枚くらいつくって並べておくと、ハズレが少なくなり
ます。


<遊び方>

 例えば、ゲートボールのボールを使い、5人一組のチーム対抗だとします。一人一つずつボールを持
ち、赤チーム、白チームが交互に打撃ラインからマトと狙って打ちます。ラインからマトまでは4m50cm
くらいがちょうど良いようです。最後の人が終わったら、マトのうえにのったボールの得点を集計します。
1対1であれば、一人3~5のボールを持って、交互に打ち合うようにします。ボールに書かれた数字が、
「同じ得点数のマトに載ったらボーナス得点」としても楽しいです。立位のバランスが不安定な人には十
分配慮してください。




「どこまで通せる?(座位・立位)」

 
 ボールを床の上に並んでいるゲートの間を通して、できるだけ遠くへ転がそうとする。狙いを定めて転  がすことで集中力を引き出し、立位でやれば、上体を前方へ傾け・起こす動作による重心移動が、躯幹・
立位バランスを向上させます。椅子に座って行えば、この動作が座位バランスの向上につながります

 <準備>

 バレーボールくらいの大きさのボールと、ゲートを5つ用意します。ゲートはペットボトルなどを立てても
大丈夫。5つのゲートを縦一列に並べ、適当な距離のところに投球ラインを設けます。

 

<遊び方>

 ゲートを倒さないようにボールを転がし、ゲートをいくつ通過できたかを競います。
 「もう少し左を狙って」「勢いが良すぎますよ」などアドバイスをしましょう。慣れるまでは、ゲートを倒して
も通過すれば得点。

 慣れてきたらゲートの広さや投球ラインからの距離を調節しましょう。最後にゴールラインを引いて、そ
こでピッタリ止まれば、ボーナス得点というのもおもしろいです。

 座って行う場合も同じです。前傾姿勢でボールに手が届かない場合は、うちわでボールを押して転がし
ても可。  2人でも4、5人のグループでも楽しめます。前傾姿勢になる時は、立位・座位ともにバランス
を崩しやすいので注意しましょう。

  「うまく入るかな」


 前方、あるいは後方にあるカゴを狙ってボールをを投げる。遠くへ飛ばそうと上体を傾けたり、反らし
たりすることで、上肢・体幹の間接可動域改善をはかる。後方のカゴを狙うときは、身体を伸ばすきっか
けにもなり、気持ちもいい。また、カゴを狙うことで、上肢の協調性運動・集中力を養います。



<準備

 ビーチボール、ゴムボール等のボールと、的となるカゴを用意します。カゴはダンボール等でもOK。カ
ゴまでの距離やカゴの大きさは、対象者にあわせて十分調整する。


<遊び方>

 一人ずつボールを投げます。1回投げたぐらいでは感覚がつかめないので、1度に5回程度投げると良
いでしょう。

 カゴを正面にして、また後ろ向きで投げ、カゴに入った回数を競います。「よく狙って」、「山なりに投げてみましょう」など声をかけてください。いろいろな大きさ、形のボールを用意しておくと一段と楽しめます。
 また、背もたれのあるイスにカゴをつけると、背もたれがバスケットボールのバックボードのような役割を
して、入りやすくなります。ボールを投げる際、前傾姿勢や反ったりするためバランスを崩す場合もあるの
で、注意しましょう


  「天国と地獄」


 段ボールの板をお互いに揺らし、板にあいている穴からペットボトルのフタが落ちるように、また落ちな
いように揺らすことで、上肢の筋力増強・坐位バランスの向上を図れます。数人でチームをつくれば、「あ
あしよう、こうしよう」と会話もはずみます。

 

<準備>

 段ボールで穴あきの板をつくります。スプレー等で色つけをした、色違いのペットボトルのフタを用意し
ます。各色10個以上ずつあるといいでしょう。

 <遊び方>

 穴あき板の上に色の違うペットボトルのフタを同じ数ずつおきます。両サイドに敵味方わかれ、自分の
チームの色を確認しましょう。

 準備が整ったらゲーム開始。相手チームのフタが穴から落ちるように、考えながらお互いに板を揺らし
ます。あらかじめ時間を決めておき、終了したときにフタが多く板の上に残っていた方が勝ちです。

 慣れてきたら、フタの中にも「特別のフタ」を設け、それが残っていたり、落とせたら追加得点ありという
ルールを加えると、よりゲームが楽しくなります。フタは多めに用意したほうがいいでしょう。



  「新春的あて」


割り箸で作った鉄砲でマトを狙うことにより、集中力上肢の協調性運動を。また、マトへの狙いをつけ、輪
ゴムの角度や飛び方を想像することで知的刺激も引き出す、お正月ならではの遊びです。



<準備>

 割り箸で作った鉄砲、輪ゴム、マトを用意します。

<遊び方>

 長机の端にマトを並べ、その反対側にお年寄りを誘導します。遊びは単純。鉄砲に輪ゴムをかけ、よく
狙って、どれだけマトを倒すことができたかを競います。「もう少し右を狙って」とか「○○に当たりました
よ」など声をかけます。

 「大当たり」というマトをつくり、当たった時に「大当たり!」というかけ声や、太鼓などを鳴らすと盛り上が
り、やる気も出てきます。あめ玉など、ちょっとした景品も用意しましょう。色のついた輪ゴムを使うと、普
通のよりも見えやすいようです。




  「たて輪投げ」


 輪を遠くへ投げようとするときには体のひねりや重心移動がみられるため、立っておこなえば立位バラ
ンスの、座っておこなえば坐位バランスの向上につながり、ただ遠くへ投げるだけでなく、マトを狙って投
げることで集中力・全身的な協調性運動を促します。



<準備>

 大小さまざまな種類の輪と、ペットボトルや一升瓶、牛乳パックなど、いろいろなマトを用意します。

<遊び方>

  縦1列にマトを並べ、遠くにあるマトほど得点を高くします。マトの数や投げる位置は、対象となるお年寄
りの様子にあわせて調整します。最初は投げやすく、マトにも入りやすい大きさの輪でおこなうとよいでし
ょう。

 慣れてきたら、いろいろな大きさ、素材の輪を用い、どれを投げるかはクジで決めるようにすると盛り上
がります。立位で実施する場合は、バランスの不安定な人は転倒に注意します。

 ビニールホースの不要品で直径50cmくらいの輪を作ったところ、グニャグニャした感触で、マトにも入
りやすいので好評でした。そのほか、竹で作った直径35cm、輪幅1cmの輪や、新聞紙で作った直径20
cm
15cmの輪なども活用できます。


田の字バレー(いい名前募集中!)
~ラリーを楽しんでいると、いつのまにか背筋(せすじ)がシャンと伸びている~



楽々悠々健康づくり

 ビーチボールでラリーを続けるうちに、自然に背筋が伸び、肩の血行もよくなります。1分間で何回ラリ
ーが続くか、チームで気持を一つにして挑戦すれば、面白さがン十倍に膨らんでいきます。


イラストのように、4人が座って、ビーチボールのパスを楽しみます。
・ちょうど「田」の字になるように、それぞれの座る位置をゴムひもなどで区切ります(1人のスペースは
1m四方が目安です)。
・ゴムの高さは、背筋を伸ばして手を上げたときに、手首が出るくらいの高さにします。

進め方とコツ

1.椅子に深く腰掛け、背筋を伸ばして両手を上げます。
2.ビーチボールを手首の力で打ち返す(トスをする)ようにして、パスをまわします。
★ 受けるときに、立ち上がったり、無理に身体を反らせると転倒の原因になります。背筋を伸ばした範囲
で受けることを伝えましょう(何度でも挑戦すればよい、無理して続けるよりも挑戦を繰り返した方が楽し
いことをよく理解してもらいます)。
★ どうしても無理をしがちな方がいる場合は、介助者が後ろにつき、無理をしないよう促しましょう。
3.最初はボールを左にまわすラリーを2回練習してみましょう。 ★ ビーチボールは打ち込むのでなく、
軽く手首でトスをして相手にパスします。
4.次に、ボールを右にまわすラリーを2回練習します。
5.最後は、ボールを好きな方向にまわしながら、ラリーを続けてみます。
★ ボールはいつまわってくるかわかりません。行方を目で追い続けるよう促しましょう。
★ また、両手を伸ばし、あらかじめ準備の姿勢をとっておくように声かけをしましょう。
6.1分間で何回ラリーを続けられるか挑戦します。
★ 1度失敗したら、回数を数えなおします。
★ 時間内であれば何回でも挑戦できます。


できた回数を発表しませんか?

 何回くらいラリーが続いたでしょうか?  皆さんが挑戦した結果を、ホームページで発表しませんか。
 この田の字バレーを日本レクリエーション協会のホームページで紹介するにあたり、皆さんの記録も掲
載していきたいと思います。  チーム名(作って下さい)、所在する都道府県・市区町村、メンバーの名前・年齢、そして回数をお知らせください。写真も掲載できます。

 回数は少なくても気にしなくて結構です。楽しんだ成果が発表されることで、楽しさもふくらみますし、次
への意欲も高まるかもしれません。あくまで、チームメンバーが自分たち自身の上達を実感するためのものですが、しばらくの間、掲載させていただきます。

 なお、くれぐれも、エキサイトしすぎて、後ろに倒れたり、椅子から落ちることがないように楽しんでくださ
い。